作品名
精霊馬ムーバー
アーティスト
飯野哲心
プログラム
野外美術展
作品紹介

「精霊馬(しょうりょううま)」とは、きゅうりやナスなどの野菜と割り箸などの棒で作られるお盆の供え物の一つである。故人の霊魂がこの世とあの世を行き来するための乗り物として作られる。
作者の飯野哲心は、幼いころの夏、帰省した祖父母の家で初めて精霊馬を見た。シュールなビジュアルの衝撃は、時が経っても、作者の頭の中に残り続け、「実際に精霊馬に人(先祖)が乗っている姿が見たい」という好奇心からこの作品が生まれた。当初は巨大な彫刻作品として制作されたが、精霊馬に乗る鑑賞者と様々な会話が生まれることから、作品はコミュニケーションツールとして発展していった。

またこの作品は、100円を入れると、動く。「鑑賞者は作品に乗って、三途の川を渡るのに必要な六文銭硬化の替わりの硬貨を投入し機械を作動させ、自分が死んだ後の世界についてや、お盆に子孫に送られることを想像してもらいたい。」と作者は語る。