街を花で明るくしたい。「花の力」で人を元気にしたい。そんな想いから「福島の花」シリーズを撮影しています。花は人の感情に触れて心のドアを開く力があります。作品中の花は見た人の記憶の中にある花へとリンクして、楽しかったことやなつかしい思い出、さらには心にしまいこんだ悲しみにまでも想いがつながっていくことと思います。忙しすぎる日々の中で「福島の花」がひと時の安らぎをもたらし、羽を休める場所の一つになれたならと思います。
作品中の花々は、福島県内の多くの方々の協力をいただいて撮影しています。花卉(かき)生産者であったり、知り合いのおばあちゃんが育てている庭先の花であったり、市町村関係者であったりと、実に様々です。花の提供をお願いする中でいつも感じるのは、みなさんがおだやかで幸せな時間を願う気持ちを花に託しているということです。そういった福島の人や自然のすばらしさも、多くのかたに知ってほしいもののひとつです。
言葉も持たず静かにただひたすらに咲く花が時に強く心にせまることがあるように、私自身の作品も見知らぬ誰かに語りかけるようなものであってほしいと、花の心と向き合いながら創作活動を続けています。