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野口勝宏×「福島の花」プロジェクト

街を花で明るくしたい。「花の力」で人を元気にしたい。そんな想いから「福島の花」シリーズを撮影しています。花は人の感情に触れ心のドアを開く力があります。ぼんやりと作品の中の花を見つめる時、気持ちはその人自身の記憶の中の花へとリンクして、楽しかったことや悲しかったことへと想いがつながっていきます。この「福島の花」を見た方々が、ひと時でも安らぎを感じ楽しい気持ちになれるそんな一つになる事ができたならと写真家の視点から花に接して撮影を続けています。

作品中の花々は、福島県内そして時には東北各地の方々の協力もいただいて撮影をしています。花卉(かき)の生産をしている方だったり、おばあちゃんが育てている庭先の花であったり、市町村の関係者であったりと様々です。花の提供をお願いする中でいつも感じるのは、花を通じてもたらされる、おだやかで幸せな時間や気持ちを願う気持ちをみなさんが持っているということです。

言葉を持たず、静かにただひたすらに咲く花が時に強く心にせまることがあるように、私自身の作品もおだやかでありながら見知らぬ誰かに語りかけるようなものであってほしいと、花を提供してくださるたくさんの方たちの思いや花の心と向き合いながら創作を続けています。

PROFILE

野口勝宏
野口勝宏
のぐちかつひろ
1959年福島県猪苗代町生まれ。写真家。
東日本大震災を機に「福島の花」シリーズの制作を始める。
2014年~2016年の春に開催された福島県観光キャンペーン「福が満開、福のしま。」においてJR東日本のメインイメージに採用され、ポスターや駅構内・ラッピング車両を花作品でデザインをする。また、福島空港でも搭乗橋や到着ロビー、ANA全日空カウンターを花で彩る。第35回Nikon Photo Contest 2014-2015において日本人初のグランプリを受賞。「第26回みんゆう県民大賞」(福島民友新聞社主催)では芸術文化賞受賞。また、2016年5月14日就航のANA「東北フラワージェット」においては″東北の花“で機体デザインを手がける。